2026年08月06日
地震が留守番中に起きたらペットはどうなる?外出前にできる安全対策を解説
仕事や買い物などで外出しているときに地震が起きると、「留守番中のペットは無事だろうか」「すぐに帰ったほうがよいのではないか」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
大きな地震が発生した場合、家具や家電が倒れたり、食器や窓ガラスが割れたりする可能性があります。
揺れや大きな音に驚いた犬や猫が、室内を走り回ってけがをすることも考えられます。
さらに、交通機関の運休や道路の混雑によって、飼い主がすぐに自宅へ戻れるとは限りません。
停電が長引けば、エアコン、自動給餌器、給水器、ペットカメラなどが使えなくなる可能性もあります。
留守番中のペットを守るために大切なのは、地震が起きてから急いで帰宅することだけではありません。普段からペットが過ごす室内を安全に整え、飼い主がすぐに帰宅できない場合まで想定して準備しておく必要があります。
この記事では、留守番中の犬や猫に地震が起きたときの危険、外出前にできる室内の安全対策、帰宅できない場合に備えて決めておきたいことを解説します。
地震が留守番中に起きた場合に考えられるペットの危険
留守番中のペットは、地震が発生しても飼い主の指示を受けたり、安全な場所へ誘導してもらったりできません。
普段は問題なく過ごしている部屋でも、強い揺れが起きると家具や家電が移動し、扉や窓が開くなど、室内の状況が大きく変わる可能性があります。
まずは、留守番中にどのような危険が考えられるのかを確認しましょう。
家具や家電の転倒に巻き込まれる
地震が発生したときに特に注意したいのが、家具や家電の転倒です。
本棚、食器棚、テレビ、収納ラック、冷蔵庫などの近くにペットのベッドやケージを置いていると、倒れてきた家具に挟まれたり、落下した物に当たったりする可能性があります。
家具そのものが倒れなくても、棚の上に置かれている物が落ちることがあります。植木鉢、時計、写真立て、置物、収納箱など、人にとっては軽く感じる物でも、小型犬や猫に当たれば大きなけがにつながりかねません。
環境省は、災害時にペットを守るためには、家具の固定など、住まいの防災対策を行う必要があるとしています。ペットが普段過ごす場所にも配慮することが、ペットの安全につながります。
家具の固定は、人の避難経路を確保するだけでなく、留守番中のペットを守るためにも重要です。
割れたガラスや食器でけがをする
窓ガラス、鏡、食器棚、水槽などが割れると、床に鋭い破片が散らばることがあります。
地震の揺れや物が落ちる音に驚いたペットは、普段とは異なる行動を取る可能性があります。室内を急に走り回り、割れたガラスや食器の破片を踏んでしまうかもしれません。
特に犬や猫の肉球は床に直接触れるため、破片がある場所を歩くと切り傷を負うことがあります。傷が小さく見えても、破片が内部に残っていたり、出血や感染につながったりする可能性があります。
また、割れた容器に入っていた食品、洗剤、薬品などが床に広がり、ペットが口にしてしまうことも考えられます。
窓や食器棚には飛散防止フィルムを貼り、割れやすい物をペットの生活スペースから離しておくことが大切です。
パニックになって逃げ出す
犬や猫は、地震の揺れだけでなく、緊急地震速報、物が倒れる音、窓ガラスが割れる音、警報などに驚くことがあります。
普段は落ち着いているペットでも、強い恐怖を感じると予想外の行動を取る可能性があります。
揺れによって玄関や室内ドアが開いた場合、外へ逃げ出すかもしれません。網戸が外れたり、窓の鍵が不十分だったりすると、窓から脱走することも考えられます。
完全室内飼いの犬や猫は、外の環境に慣れていないため、逃げ出したあとに自宅へ戻れなくなる可能性があります。交通事故に遭う、建物の隙間に入り込む、遠くまで移動してしまうといった危険もあります。
東京都も、突然の災害に驚いてペットが逃げ出し、飼い主と離れ離れになる可能性があるため、日頃から身元表示を行うよう案内しています。
首輪や迷子札を着けていても、災害時には外れたり破損したりする場合があります。マイクロチップなど、複数の方法で身元を確認できるようにしておくことが重要です。
家具の隙間に入り込んで出られなくなる
地震に驚いた犬や猫が外へ逃げるとは限りません。恐怖を感じて、家具の裏、ベッドの下、押し入れ、クローゼットなどへ隠れる場合もあります。
普段から使っている隠れ場所であっても、家具が移動したり荷物が崩れたりすると、ペットが閉じ込められる可能性があります。
帰宅した飼い主が名前を呼んでも、恐怖やけがによって反応しない場合があります。そのため、「姿が見えないから逃げ出した」とすぐに決めつけず、室内の安全を確認しながら隠れやすい場所を探す必要があります。
大型家具の裏側や狭い隙間には、普段から入り込めないよう対策しておくと安心です。ただし、犬や猫にとって落ち着ける場所をすべてなくすのではなく、倒れにくいケージや屋根付きベッドなど、安全に隠れられる場所を用意しましょう。
水やフードを口にできなくなる
留守番中に地震が起きると、水の容器が倒れて中身がこぼれる可能性があります。
フードが十分に残っていても、食器が家具の下に入ったり、落下物によって近づけなくなったりする場合があります。電動の自動給餌器が停電で停止すると、設定した時間にフードが出てこないことも考えられます。
自動給水器も、停電すると水が循環しなくなる製品があります。タンクに水が残っていても、構造によってはペットが飲めなくなる可能性があるため、使用している製品の仕組みを確認しておきましょう。
水やフードは一つの場所だけに置かず、安全な位置に分けて用意することが大切です。
停電で室温を維持できなくなる
夏や冬の留守番では、エアコンを使用して室温を管理している家庭も多いでしょう。
しかし、地震によって停電すると、エアコンや暖房器具が停止します。電気が復旧しても、自動的に運転を再開しない機種もあります。
夏場は室温が上昇し、熱中症の危険が高まる可能性があります。特に短頭種の犬、子犬、子猫、高齢のペット、持病のあるペットは、暑さの影響を受けやすいため注意が必要です。
冬場も、急激に室温が下がると体調を崩す可能性があります。小型犬や高齢のペット、被毛の少ない品種などは、寒さに弱い場合があります。
カーテンを閉めて直射日光を防ぐ、断熱性のある寝床を用意する、複数の部屋を移動できるようにするといった、電気に頼りすぎない室温対策も必要です。
ただし、ペットが誤って絡まったり、かじったりする危険のある冷却用品や暖房用品を、留守番中に使用する際は注意しましょう。
ペットカメラや通信機器が使えなくなる
ペットカメラは、外出先から留守番中の犬や猫の様子を確認できる便利な機器です。
しかし、停電や通信障害が起きると映像を確認できなくなる場合があります。カメラが映らないからといって、ペットに異常が起きたとは限りませんが、状況が分からないことで飼い主の不安がさらに強くなることがあります。
カメラが倒れたり、向きが変わったりして、室内を確認できなくなる可能性もあります。
ペットカメラはあくまで状況を確認するための補助的な手段です。カメラが使えなくてもペットが安全に過ごせるよう、家具の固定や水の確保、脱走防止対策を優先しましょう。

留守番中のペットを地震から守るために外出前からできる備え
地震がいつ発生するかを正確に予測することはできません。
そのため、地震が起きた日だけ特別な対応をするのではなく、普段から留守番をする部屋を安全に整えておくことが大切です。
ここでは、日常生活の中で取り入れられる対策を紹介します。
ペットが過ごす場所を家具から離す
まずは、犬や猫が留守番中に長く過ごす場所を確認しましょう。
ベッド、ケージ、サークル、トイレ、水飲み場などが、背の高い家具や家電の近くに置かれていないかを見直します。
倒れる可能性がある家具だけでなく、棚の上から物が落ちる範囲にも注意が必要です。家具が倒れなくても、扉が開いて収納物が飛び出す場合があります。
次のような場所は、留守番スペースとして適しているか慎重に確認しましょう。
・本棚や食器棚の前
・テレビ台の近く
・窓ガラスのすぐそば
・吊り下げ式の照明器具の真下
・植木鉢や置物が置かれた棚の下
・キャスター付き家具の近く
・倒れる可能性がある間仕切りのそば
家具から十分に離れた場所を確保できない場合は、家具を壁へ固定し、扉に開放防止器具を取り付けます。棚の上には重い物や割れやすい物を置かないようにしましょう。
家具や家電を固定する
家具の転倒防止対策には、壁へ固定する金具、突っ張り棒、転倒防止ベルト、粘着マットなどがあります。
ただし、家具の大きさ、重さ、壁や天井の材質によって、適した固定方法は異なります。突っ張り棒だけでは十分に固定できない場合もあるため、製品の説明や住宅の構造を確認して設置することが重要です。
テレビや電子レンジなどの家電も、揺れによって台から落ちる可能性があります。家具を固定していても、その上に置かれている家電が固定されていなければ、ペットの生活スペースへ落下するかもしれません。
ケージやサークルも、揺れによって移動したり転倒したりしない位置へ設置します。キャスターが付いている場合は、ストッパーを使用し、必要に応じて移動を防ぐ対策を行いましょう。
安全に過ごせる範囲を決める
留守番中に家中を自由に移動できるようにしている場合、地震によって危険な部屋へ入る可能性があります。
キッチンには、包丁、食器、調味料、洗剤などがあります。浴室や洗面所には、水、洗剤、化粧品、電気製品などがあり、地震後の状況によっては危険です。
一方で、狭いキャリーケースへ長時間入れておけば安全とは限りません。ペットの体格、年齢、健康状態、留守番時間に合わない狭さは、身体的な負担やストレスにつながります。
普段からケージやサークルを使用している場合は、次の点を確認してください。
・ペットが立ち上がり、方向転換できる広さがある
・水を安定して置ける
・トイレと寝床を分けられる
・直射日光が当たらない
・家具や物が倒れてこない
・ケージ自体が移動、転倒しにくい
・首輪やおもちゃが柵に引っかからない
ケージに入ることを嫌がるペットを、災害時だけ急に入れようとしても、うまくいかない可能性があります。
東京都は、安全かつ速やかに避難できるよう、普段からしつけを行い、飼い主がペットをコントロールできるようにすることが、災害時のストレス軽減にもつながると案内しています。
キャリーケースやケージは、動物病院や旅行のときだけ使用するのではなく、日頃から安心して休める場所として慣らしておきましょう。
窓・玄関・室内ドアの脱走対策を行う
留守番中の脱走を防ぐためには、玄関や窓だけでなく、室内ドアの状態も確認する必要があります。
窓の鍵が閉まっていても、強い揺れによってゆがんだり、網戸が外れたりすることがあります。網戸だけでは脱走防止対策として十分とはいえません。
猫がいる家庭では、窓の内側に脱走防止柵を設置する方法があります。玄関にも柵やゲートを設けておけば、帰宅してドアを開けた際に、驚いた猫や犬が飛び出す危険を抑えられます。
室内ドアが揺れで閉まり、ペットだけが部屋に閉じ込められる場合もあります。反対に、普段は入れない部屋の扉が開き、危険な物を口にする可能性もあります。
地震が起きた際に扉がどちらへ動くか、倒れた家具で出入口がふさがれないかを確認しておきましょう。
水は複数の場所に分けて置く
留守番中の飲み水は、一つの容器だけに頼らないようにしましょう。
一つの水皿が倒れると、帰宅するまで水を飲めなくなる可能性があります。倒れにくい形状の容器を選び、家具や落下物の影響を受けにくい場所へ複数置く方法があります。
自動給水器を使用している場合も、一般的な水皿を別に用意しておくと安心です。
ただし、水を大量に置けば必ず安全になるわけではありません。床がぬれて滑りやすくなったり、電気コードや家電の近くへ水が広がったりしない位置を選びましょう。
ペットによって必要な水分量は異なります。体格、食事内容、気温、健康状態などを踏まえ、普段の飲水量を確認したうえで余裕を持って準備します。
電気を使わない給餌方法も用意する
毎日決まった時間に自動給餌器を使用している家庭では、停電時の動作を確認しておきましょう。
乾電池とコンセントの両方に対応している製品もありますが、すべての給餌器が停電後も動くとは限りません。電池を長期間交換していないと、非常時に作動しない可能性もあります。
普段から置き餌ができるペットであれば、安全な場所に予備のフードを用意する方法があります。ただし、食べ過ぎる、早食いする、療法食の管理が必要といった事情がある場合は、置き餌が適さないこともあります。
持病がある犬や猫、決まった時間に薬や食事が必要なペットについては、かかりつけの獣医師に相談し、災害時の対応を確認しておきましょう。
迷子札とマイクロチップを確認する
留守番中にペットが逃げ出した場合に備え、身元を確認できる状態にしておくことも重要です。
首輪には、飼い主の名前や連絡先を記載した迷子札を取り付けます。文字が消えていないか、電話番号が古いままになっていないかを定期的に確認してください。
犬の場合は、鑑札や狂犬病予防注射済票の装着についても確認が必要です。東京都は、災害時にはぐれたペットが飼い主のもとへ戻れるよう、身元表示を行うことを勧めています。
マイクロチップを装着していても、登録されている電話番号や住所が古いと、飼い主へ連絡できない可能性があります。引っ越しや電話番号の変更後は、登録情報も更新しましょう。
また、ペットだけの写真に加えて、飼い主とペットが一緒に写っている写真をスマートフォンに保存しておくと、飼い主であることを説明する際に役立つ場合があります。
ペット用の防災用品をまとめる
東京都は、ペットの防災用品について、最低でも5日分、できれば7日分を目安に備蓄するよう案内しています。備蓄品の例として、フード、水、常備薬、食器、トイレ用品、健康記録、写真、ケージ、キャリーバッグなどを挙げています。
ペット用の防災用品として、次のような物をまとめておきましょう。
・普段食べているフード
・飲料水
・常備薬や療法食
・食器
・予備の首輪やハーネス
・リード
・キャリーケースやケージ
・ペットシーツや猫砂
・排泄物を処理する袋
・タオル
・ウェットティッシュ
・健康状態や既往歴の記録
・ワクチン接種歴が分かる書類
・かかりつけ動物病院の連絡先
・飼い主とペットが一緒に写った写真
防災用品を一か所にまとめていても、家具が倒れて取り出せなくなる可能性があります。玄関近くに避難用のバッグを置き、日常的に使用するフードや水には別の保管場所を設けるなど、分散して準備する方法もあります。
フードや薬には使用期限があります。防災用品として保管したままにせず、日常生活で使いながら補充する方法を取り入れると、期限切れを防ぎやすくなります。
飼い主がすぐに帰宅できない場合に備えて決めておきたいこと
留守番中のペットが心配でも、大規模な地震が起きた直後に無理に帰宅すると、飼い主自身が危険に巻き込まれる可能性があります。
東京都では、大規模地震の発生直後は、救命・救助活動や消火活動を妨げず、帰宅困難者自身の安全を確保するため、「むやみに移動を開始しない」ことを基本原則としています。
ペットを守るためにも、飼い主が安全を確保したうえで行動できる準備が必要です。
地震直後に無理に帰宅しない
外出先で大きな地震に遭ったときは、まず自分の身を守ります。
ペットカメラで犬や猫が不安そうにしていたり、室内の物が倒れていたりする様子が見えたとしても、道路や建物の安全が確認できない状態で移動するのは危険です。
地震直後の道路では、落下物、倒壊した建物、火災、割れたガラス、切れた電線などが移動を妨げる可能性があります。駅へ人が集中し、転倒や群集事故が起きる危険もあります。
東京都の帰宅行動指針では、大規模地震の発生後72時間は、人命救助のために重要な期間として、帰宅困難者は原則として安全な場所に待機する考え方が示されています。ただし、被害状況や行政機関の案内によって、移動できる時期は変わります。
「ペットがいるから必ず歩いて帰る」と決めておくのではなく、勤務先、自宅、帰宅経路の被害状況を確認し、安全に移動できるかを判断しましょう。
留守番中のペットを確認できる人を決める
飼い主が帰宅できない場合に備え、家族、親族、信頼できる近隣住民など、ペットの様子を確認できる人を決めておくと安心です。
日頃から利用しているペットシッターや、近くに住むペット仲間へ相談する方法もあります。
ただし、地震が起きたあとに初めて頼むのでは、連絡がつかなかったり、鍵を渡せなかったりする可能性があります。平常時から、誰に何を頼むかを話し合っておくことが大切です。
協力を依頼する相手には、次の内容を伝えておきましょう。
・ペットが普段いる部屋
・ペットが隠れやすい場所
・水やフードの保管場所
・キャリーケースやリードの場所
・薬や療法食の与え方
・かかりつけ動物病院の連絡先
・触られることを嫌がる場所
・噛む、引っかくなどの注意点
・避難が必要になった場合の対応
合鍵を預ける場合は、防犯面を考慮し、信頼できる相手を選ぶ必要があります。
また、協力者の自宅や移動経路も被災している可能性があります。「必ず助けに行ってもらう」のではなく、本人の安全が確保できる場合に限って対応してもらうことを確認しておきましょう。
ペットの情報を紙とスマートフォンで共有する
災害時は、スマートフォンの充電が切れたり、通信障害が起きたりする可能性があります。
ペットの情報はスマートフォンだけに保存せず、紙にもまとめておくと安心です。
情報カードには、ペットの名前、種類、年齢、性別、持病、薬、性格、食事、かかりつけ動物病院などを記載します。ペットの写真や飼い主の連絡先も加えておきましょう。
玄関付近に「室内にペットがいます」と表示する方法もあります。ただし、外部からペットの存在が分かることで、防犯上の不安が生じる場合もあります。
常時外から見える場所へ表示するのではなく、協力者だけが分かる場所に情報を保管するなど、住環境に合った方法を考えましょう。
家族との連絡方法と担当者を決める
家族が別々の場所にいるときに地震が起きると、全員が同時にペットを心配して移動を始める可能性があります。
しかし、複数人がそれぞれ自宅へ向かうと、連絡が取れないまま行き違いになることがあります。
誰がペットの確認を担当するのか、誰が情報収集を行うのかを決めておきましょう。自宅に最も近い人が必ず担当するのではなく、安全な経路で移動できる人が対応する考え方も必要です。
電話がつながりにくい場合に備え、災害用伝言サービス、メッセージアプリ、共通の連絡先なども確認しておきます。
「一定時間連絡がつかなければ、それぞれ安全な場所で待機する」「自宅へ向かう人は家族へメッセージを残す」といったルールを決めておくと、無理な移動や行き違いを防ぎやすくなります。
勤務先からの帰宅経路を確認する
職場から自宅まで歩いて帰れる距離であっても、地震後に普段と同じ道を通れるとは限りません。
橋、トンネル、高架下、古い建物が密集する地域、崖の近くなどは、被害状況によって通行できなくなる可能性があります。
帰宅経路は一つだけでなく、複数確認しておきましょう。徒歩でどの程度の時間がかかるのか、途中に休憩できる場所や災害時帰宅支援ステーションがあるかも確認します。
東京都の帰宅行動指針でも、平常時から複数の徒歩帰宅経路を検討し、沿道の状況や災害時帰宅支援ステーションの場所を実際に歩いて確認することが示されています。
ただし、事前に確認した道であっても、地震後に安全とは限りません。行政、交通機関、勤務先などから発表される情報を確認し、移動の可否を判断してください。
避難場所とペットの受け入れ方法を確認する
自宅が被害を受けた場合、ペットと一緒に避難する必要があります。
東京都は、避難が必要な場合には、原則としてペットを同行して避難することが重要としています。ただし、同行避難とは、ペットと一緒に安全な避難所まで避難することを指し、避難所で人とペットが同じ空間に居住できることを意味するものではありません。
避難所によっては、人の居住スペースとペットの飼育スペースが分けられます。犬、猫、そのほかの動物で場所が分かれる場合や、ケージに入れることが受け入れ条件となる場合もあります。
自治体や避難所によって対応が異なるため、住んでいる区市町村の情報を確認しましょう。
確認しておきたいのは、次のような内容です。
・ペットと同行できる避難所
・ペットの飼育場所
・ケージやキャリーケースの必要性
・フードや水を持参する必要があるか
・犬と猫の飼育場所が分かれているか
・大型犬を受け入れられるか
・避難所へ入れない動物の種類
・車中や自宅で避難する場合の注意点
自宅が安全で、定期的にペットの世話へ戻れる状況であれば、ペットを避難所へ連れて行かないことが選択肢になる場合もあります。ただし、その場合も毎日の食事や健康状態の確認が必要です。
地震が起きてから受け入れ先を探すのではなく、複数の避難先を想定しておくことが重要です。
動物病院や預け先の候補を確認する
地震によってペットがけがをした場合や、自宅で飼育を続けられない場合に備え、動物病院や一時的な預け先も確認しておきましょう。
かかりつけの動物病院が被災して診療できない可能性もあるため、近隣の別の動物病院や、避難先周辺の施設も調べておくと安心です。
ペットホテルや親族宅などを候補にする場合は、災害時にも受け入れられるとは限りません。事前に相談し、必要な持ち物や条件を確認しておきましょう。
持病があるペットについては、薬がなくなった場合や受診できない場合の対応を、平常時に獣医師へ相談しておくことも大切です。

まとめ|留守番中の地震を想定してペットが安全に過ごせる環境を整えよう
留守番中に地震が発生すると、家具や家電の転倒、ガラスの飛散、脱走、停電、水やフードの不足など、ペットにさまざまな危険が及ぶ可能性があります。
飼い主がそばにいない状況では、地震が起きてから安全な場所へ誘導することはできません。そのため、普段からペットが過ごす場所を見直し、物が倒れたり落ちたりしにくい環境を整えることが重要です。
家具や家電を固定し、ケージやベッドを窓や棚から離しましょう。飲み水は複数の場所へ分けて置き、自動給餌器や給水器が停電時にも使えるか確認します。
窓や玄関には脱走防止対策を行い、迷子札やマイクロチップの登録情報も見直してください。ペットが逃げ出した場合に備え、飼い主と一緒に写った写真や健康情報を保存しておくことも役立ちます。
また、大規模な地震が起きると、飼い主がすぐに帰宅できるとは限りません。ペットが心配でも、安全が確認できない状態で無理に移動すると、飼い主自身がけがをする可能性があります。
家族や近隣の人など、飼い主が戻れないときにペットを確認できる協力者を決めておきましょう。フード、薬、キャリーケースの場所やペットの性格について、事前に情報を共有しておくことが大切です。
ペットとの同行避難についても、避難所で必ず同じ空間に過ごせるとは限りません。住んでいる自治体の受け入れ方法を確認し、避難所以外の預け先も含めて複数の選択肢を考えておきましょう。
留守番中のペットを守るための対策は、特別な防災用品をそろえることだけではありません。
まずは、ペットがいつも寝ている場所の周囲を確認してください。倒れそうな家具、落下しそうな物、割れやすい物を一つずつ移動させることが、地震への現実的な備えになります。
【Q&A】
地震に備えてペットはケージで留守番させたほうがよいですか?
ケージが安全な場所に設置され、ペットが普段から慣れている場合は、落下物や割れたガラスから守れる可能性があります。
ただし、ケージに入れておけば必ず安全というわけではありません。ケージの近くに家具や家電がある場合は、倒れて出口をふさいだり、ケージ自体が変形したりする可能性があります。
留守番中のペットのために水はどのくらい用意すればよいですか?
必要な水分量は、ペットの種類、体格、食事、気温、健康状態によって異なります。
普段の留守番時間に必要な量だけではなく、地震によって飼い主が帰宅できない可能性も考え、余裕を持って用意しましょう。
自動給水器を使用している場合も、停電に備えて通常の水皿を併用してください。
地震が起きたらペットのためにすぐ帰宅してもよいですか?
まずは飼い主自身の安全を確保し、周囲や帰宅経路の状況を確認してください。
大規模地震の直後は、落下物、建物の倒壊、火災、道路の混雑、群集事故などが発生する可能性があります。
ペットが心配であっても、安全が確認できない状態で無理に移動することは避けましょう。
ペットカメラを設置すれば地震対策になりますか?
ペットカメラは、外出先から犬や猫の様子や室内の状況を確認する手段になります。
しかし、停電、通信障害、機器の転倒などによって使えなくなる可能性があります。カメラの映像を見られても、外出先から家具を動かしたり、ペットを助けたりすることはできません。
ペットカメラだけに頼らず、家具の固定、脱走防止、水の確保、協力者との情報共有などを行いましょう。
ペットと一緒に避難所へ入れますか?
避難が必要な場合は、原則としてペットと一緒に安全な場所まで同行避難することが重要です。
ただし、同行避難は、避難所の人の居住スペースでペットと一緒に生活できることを意味するものではありません。
ペットは屋外や別の部屋など、指定された飼育スペースで過ごす場合があります。
【参考資料】
・環境省「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」
・東京都保健医療局「『同行避難』するために 日ごろからの備えが大切です」
・東京都防災ホームページ「一斉帰宅抑制後の帰宅行動指針」
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